• THEラブ人間

    「13」
  • 青嵐線

    青嵐線

    七月の風にくどかれてつまらない街へ出掛けようサンダルつっかけ りんご飴逃げろ にわか雨君のバイクは駐輪場で何にも言わず雨を見てるすずしいねふたりでいるとたのしいねあれこれ話したいことが記憶の波にさらわれたとしても まあいいか小さい手ミルクとガムシロをかき混ぜてこぼれ落ちたグラスの汗が机の上に小さな海をつくりだす青嵐線き...
  • ディズニーランドの喫煙所

    ディズニーランドの喫煙所

    早起きするつもりがちょっと寝坊して結局 家を出る頃は正午過ぎでなんかのファストパス取って平日でも混んでるねなんてのろのろ歩いてたアプリでランチ調べてこれうまそーだねなんて腹減ったけどその前にタバコ吸おうそれがいいトゥモローランドんとこスペースマウンテンとこ自販でコーラ買ってぷかぷか吸おうタバコ俺たちの休日がいい日になり...
  • 晴子と龍平(with むらかみなぎさ)

    晴子と龍平(with むらかみなぎさ)

    晴子はちょっと調子悪そうにしてる上司のことや引っ越しのこととか悩んでる同期の出産祝いを買う時間 今日はなさそうだな道挟んで1000円カットから龍平は出てきた「スーツもそろそろ新しいの買わなきゃなあ」これでも昔はちょこっと名の売れたミュージシャンだったよそういやこの辺りで昔永井博の絵を見に行ったっけ今日は晴子の34歳のバ...
  • 黒いドロドロ

    黒いドロドロ

    俺の中にある黒いドロドロを受け止めてくれる奴はいるか?歴史にもならねえ 教科書にも載らねえ救いにもならねえ力を持ったこのドロドロを受け止めてくれよ半端な時代だ いっちょやっちまうか?あのコDJにヤられちまったピアスをあけたり渋谷でデートか?赤い髪の毛は大嫌いだ傷つけた分だけ強くなれりゃいいのに傷ついた分だけ強くなれりゃ...
  • おとなになんかならなくていいのに

    おとなになんかならなくていいのに

    11月の終わり本当にいつぶりだろうか母方のばあちゃんじいちゃん家に行った子供の頃よく歩いた道をあの頃よりも何倍も速く歩いた錆びたカーブミラーに映る僕は大人だった最近なにを考えて毎日生きているだろうか?明日のこと?来週のシフト?来月のライヴ?来年の予定?二股してる女とのデート?携帯電話の滞納金?水道はまだ止まらずに済んで...
  • 大人と子供(初夏のテーマ)

    大人と子供(初夏のテーマ)

    うーむタクシーで渋谷から世田谷へ帰るあーあ君はまどろんで未来もまどろんで雨が吸い込んだ汗ばんだ夏を僕らは誰と過ごすのでしょううーむ財布の中にはいつだってタクシー代を持つようになった大人になったからそんなの当たり前になったこのまま家を通り過ぎて君を海まで連れていくよ波になってしまえ言わないでまだ言わないで孤独は好きじゃな...
  • レイプ・ミー

    レイプ・ミー

    お風呂に入るきみのことずうっとずうっと見ていたよ過ぎていった日々には「さようなら」と「何万本の薔薇」を捧げて洋服を脱いでもきみだよ化粧をしていてもきみだよだからぼくが歌を歌わなくなってもきみだけは許してくれよレイプ・ミーユー・レイプ・ミーここにある積み上げたものやっと形に出来たすべてを白紙にしよう黒く塗りつぶしましょう...
  • これはもう青春じゃないか

    これはもう青春じゃないか

    午前七時まできみとぼくの部屋で話したねぼくのi Pod の中の名曲をたくさん聴いてキャンプの残りにもらったお酒をちゃんぽんして呑んで泡盛のブルーの光水道水で割った水割りの香りに吸い込まれていくこれはもう青春じゃないか?もはやもうこれは青春じゃないか?きみもそうかな?悪魔が耳元でささやく衣ズレの音に興奮吐息とシャンプー吸...
  • 西武鉄道999

    西武鉄道999

    故郷への列車に夕暮れと飛び乗りふがいない男は帰る財布には20円改札を飛び越え風来坊は歩くなんてゆーかシラけちまうぜ財布には20円ただいま!母さん元気かい?父ちゃんじいちゃん ばあちゃん体は大丈夫かい?インターフォンも押さず我がもの顔でドアを開ける俺は23才それなりに生きてます嘘をたくさんついた好きじゃない女も抱いたふた...
  • 抱きしめて

    抱きしめて

    家を出たのはもう夕方ごろ八百屋もパチンコ屋もオレンジ色マヌケそうな警察官 大きなあくびぼくは三軒茶屋に行くために切符を買ったぼくは行く先を知っているんだぼくは目的地を知っているんだ西武線はがらんとして暖房はきつく今にも眠りそうなんだまだ何も成し遂げてないよ ぼくはギターをぎゅっと抱きしめてコートをぎゅっと抱きしめてかば...
  • どうせ、慰時代

    どうせ、慰時代

    かたちのない花を育てるふたり同棲時代は音もなくはじまるのそれは読みやすい小説みたいにあっけなく終わっていくそれは特急列車の窓の外の風景きのうきみの女と寝たよきのうきみの女を抱いたよきのうきみの女にイヤらしいことさせたよともだちの女と寝たよこのままじゃいけないと思っているよきみはぼくの友達さきみはぼくのことを信じていてく...
  • 若者たちの夕暮れ

    若者たちの夕暮れ

    若さはいつも残酷に時間をすり減らしていくピアノの音で歌ってたこどもの頃を思い出せからっぽの旧校舎潰していく黒い鉄球なにも俺たちにはできないくちびるから血が窓の外を見ていた理由はMDウォークマンが壊れたからさ制服の女の子たちよ大人にならないできみたちのその笑顔がつまらない世界に色をつけていくよ...ほんとだよ追いついたと...
  • 東京

    東京

    水道水で麦茶をつくるのにも彼女はもう慣れて「勝手に飲んでいいよ。」なんて僕にほほ笑みかけてくる台所に立ってなにかおいしいご飯をつくりながらつつじと坂道の街をあなたは化粧もせずに歩くくせに心に厚化粧をしてビル街そしてネオン街を歩いていましたね女の子「こんな所にいたんじゃ…」男の子「違うだろ!!!」女の子「…わたしが選んだ...