若菜
「2」月 -TUKI-
声にならない想いを握りしめ星空を駆け抜けたもう何度傷ついてきたのかを数えるたび 大人になった 届かない距離へと消えていくみんなに追いつきたくて変わらぬような毎日も遠く離れていく何もできないまま何もわからないまま光を探していた息を切らして 昨日を置いていく転ばないように明日(あす)だけ見つめて駆け抜けて 痛みも忘れていく...柳火
夜空に浮かぶ月が照らす僕たちの二人ぼっちの影ささやく夏虫の歌を背にしゃがみ込んだ僕ら口紡ぎその手に握る祭りの終わりに火を灯す小さなひかりが君の笑顔を照らした近いようで届かないよ静かな華火に込めた記憶だけ そっと消えないように煌めいていて合わない歩幅が残した足跡いつかは並んで残せるかな繋ぎ止めるあの言葉がまだ ああ まだ...