• LEGEND

    「26」
  • ひとりでもいい

    ひとりでもいい

    あなたにめぐり逢えてほんとうによかった生きていてよかった生かされてきてよかったあなたにめぐり逢えたからつまづいてもいいころんでもいいこれから先どんなことがあってもいいあなたにめぐり逢えたからひとりでもいいひとりでもいいこころからそういってくれる人があれば...
  • ひまわりの旅

    ひまわりの旅

    ひまわりが咲いたすべてをなくしたこの庭にわたしはここにいるよとひまわりが咲いたあの子の流した涙が一粒の種になって会いに来てくれたんだねとみんなが泣いたひまわり ひまわり ここにいるよと両手広げひまわり ひまわりは 今空に咲く気がつけばもう夏めぐる季節は輝いて止まった時間がゆっくりと色付いてゆく見上げるひまわりは太陽のよ...
  • ふるさとは今もかわらず

    ふるさとは今もかわらず

    爽(さわ)やかな 朝靄(あさもや)の中を静かに 流れる川透き通る 風は身体(からだ)をすりぬけ薫る 草の青さよ緑豊かなふるさと 花も鳥も歌うよ君も 僕も あなたも ここで生まれたああ ふるさとは 今もかわらずこの町で あなたに出逢えて本当に よかったありがとう ふるさとの青空よ友よ 君に逢いたい緑豊かなふるさと 花も鳥...
  • ルピナスの花

    ルピナスの花

    レクイエムを歌える人を誰か知りませんかあなたを想う恋心がいつまでも葬(ねむ)らない寂しさが寄り添って 悲しみに口づけて偶然を乗り越えて 巡り逢えたあなたささやかにしおらしく ひそやかにさりげなく愛していればそれでよかった2人で育てたルピナスの花が 小さな春を連れてきたのにレクイエムを歌える人を誰か知りませんかあなたを想...
  • 仰げば尊し

    仰げば尊し

    仰げば 尊し 我が師の恩教(おしえ)の庭にも はや幾年(いくとせ)思えば いと疾(と)し この年月(としつき)今こそ 別れめ いざさらば互(たがい)に睦し 日ごろの恩別るる後(のち)にも やよ 忘るな身を立て 名をあげ やよ 励めよ今こそ 別れめ いざさらば朝夕 馴(なれ)にし 学びの窓蛍の灯火 積む白雪忘るる 間(ま...
  • 赤とんぼ

    赤とんぼ

    夕焼小焼の、赤とんぼ負われて見たのは、いつの日か山の畑の、桑(くわ)の実を小篭(こかご)に摘んだは、まぼろしか十五で姐(ねえ)やは、嫁に行きお里のたよりも、絶えはてた夕焼小焼の、赤とんぼとまっているよ、竿(さお)の先...
  • 朧月夜

    朧月夜

    菜の花畠に、入日薄れ見わたす山の端(は)、霞ふかし春風そよふく、空を見れば夕月かかりて、にほひ淡し里わの火影(ほかげ)も、森の色も田中の小路をたどる人も蛙(かはづ)のなくねも、かねの音もさながら霞める朧月夜...
  • かあさんの歌

    かあさんの歌

    かあさんが 夜なべをして手ぶくろ あんでくれた木枯らし吹いちゃ 冷たかろうてせっせと あんだだよふるさとの 便りはとどくいろりの においがしたかあさんは 麻糸(あさいと)つむぐ一日つむぐおとうは 土間(どま)でわら打ち仕事お前も がんばれよふるさとの 冬はさみしいせめて ラジオ聞かせたいかあさんの あかぎれいたい生みそ...
  • からたちの花

    からたちの花

    からたちの花が咲いたよ白い白い花が咲いたよからたちのとげはいたいよ青い青い針のとげだよからたちは畑(はた)の垣根よいつもいつもとおる道だよからたちも秋はみのるよまろいまろい金のたまだよからたちのそばで泣いたよみんなみんなやさしかったよからたちの花が咲いたよ白い白い花が咲いたよ...
  • 落葉松

    落葉松

    落葉松の 秋の雨にわたしの 手が濡れる落葉松の 夜の雨にわたしの 心が濡れる落葉松の 夜の雨にわたしの 心が濡れる落葉松の 陽のある雨にわたしの 思い出が濡れる落葉松の 小鳥の雨にわたしの 乾いた眼が濡れるわたしの 乾いた眼が濡れる落葉松の 秋の雨にわたしの 手が濡れる落葉松の 夜の雨にわたしの 心が濡れる落葉松の 陽...
  • この道

    この道

    この道はいつか来た道ああ そうだよあかしやの花が咲いてるあの丘はいつか見た丘ああ そうだよほら 白い時計台だよこの道はいつか来た道ああ そうだよお母さまと馬車で行ったよあの雲もいつか見た雲ああ そうだよ山査子(さんざし)の枝も垂(た)れてる...
  • 叱られて

    叱られて

    叱られて叱られてあの子は町まで お使いにこの子は坊やを ねんねしな夕べさみしい 村はずれコンときつねが なきゃせぬか叱られて叱られて口には出さねど 眼になみだ二人のお里は あの山を越えてあなたの 花のむらほんに花見は いつのこと...
  • 早春賦

    早春賦

    春は名のみの 風の寒さや谷の鶯 歌は思えど時にあらずと 声も立てず時にあらずと 声も立てず氷融け去り 葦は角ぐむさては時ぞと 思うあやにく今日も昨日も 雪の空今日も昨日も 雪の空春と聞かねば 知らでありしを聞けば急かるる 胸の思いをいかにせよとの この頃かいかにせよとの この頃か...
  • ちいさい秋みつけた

    ちいさい秋みつけた

    だれかさんが だれかさんがだれかさんが みつけたちいさい秋 ちいさい秋ちいさい秋 みつけためかくし鬼さん 手のなる方へすましたお耳に かすかにしみた呼んでる口笛 もずの声ちいさい秋 ちいさい秋ちいさい秋 みつけただれかさんが だれかさんがだれかさんが みつけたちいさい秋 ちいさい秋ちいさい秋 みつけたお部屋は北向き く...
  • 月の沙漠

    月の沙漠

    月の沙漠をはるばると旅の駱駝(らくだ)がゆきました金と銀との鞍(くら)置いて二つならんでゆきました金の鞍には銀の甕(かめ)銀の鞍には金の甕二つの甕はそれぞれに紐(ひも)で結んでありましたさきの鞍には王子様あとの鞍にはお姫様乗った二人は おそろいの白い上衣(うわぎ)を着てました広い沙漠をひとすじに二人はどこへゆくのでしょ...
  • 夏の思い出

    夏の思い出

    夏がくれば 思い出すはるかな尾瀬 遠い空霧のなかに うかびくるやさしい影 野の小径水芭蕉の花が 咲いている夢見て咲いている水の辺(ほと)り石楠花(しゃくなげ)色に たそがれるはるかな尾瀬 遠い空夏がくれば 思い出すはるかな尾瀬 野の旅よ花のなかに そよそよとゆれゆれる 浮き島よ水芭蕉の花が 匂っている夢みて匂っている水...
  • 夏は来ぬ

    夏は来ぬ

    卯(う)の花の、匂う垣根に時鳥(ほととぎす)、早も来鳴きて忍音(しのびね)もらす、夏は来ぬさみだれの、そそぐ山田に早乙女(さおとめ)が、裳裾(もすそ)ぬらして玉苗(たまなえ)植うる、夏は来ぬ橘(たちばな)の、薫るのきばの窓近く、蛍飛びかいおこたり諌(いさ)むる、夏は来ぬ楝(おうち)ちる、川べの宿の門(かど)遠く、水鶏(...
  • 花

    春のうららの 隅田川のぼりくだりの 船人が櫂(かい)のしづくも 花と散るながめを何に たとふべき見ずやあけぼの 露浴びてわれにもの言ふ 桜木を見ずや夕ぐれ 手をのべてわれさしまねく 青柳を錦おりなす 長堤(ちょうてい)にくるればのぼる おぼろ月げに一刻も 千金のながめを何に たとふべき...
  • 花嫁人形

    花嫁人形

    金襴緞子の 帯しめながら花嫁御寮は なぜ泣くのだろ文金島田に 髪結いながら花嫁御寮は なぜ泣くのだろあねさんごっこの 花嫁人形は赤い鹿の子の 振袖着てる泣けば鹿の子の たもとが切れる涙で鹿の子の 赤い紅(べに)にじむ泣くに泣かれぬ 花嫁人形は赤い鹿の子の 千代紙衣装...
  • 浜辺の歌

    浜辺の歌

    あした浜辺を さまよえば昔のことぞ 忍ばるる風の音よ 雲のさまよ寄する波も 貝の色もゆうべ浜辺を もとおれば昔の人ぞ 忍ばるる寄する波よ かえす波よ月の色も 星の影もはやちたちまち 波を吹き赤裳(あかも)のすそぞ ぬれひじしやみし我は すでに癒えて浜辺のまさご まなごいまは...