• 橋本栄子

    「2」
  • 博多俄雨

    博多俄雨

    仮設舞台で 見初(みそ)めた人としゃもじ叩いて 踊って浮かれ川面(かわも)にネオンが 消える頃女心は ゆらゆらと辛い切ない ないものづくし募(つの)る思いを 那珂川へ博多どんたく 俄雨(にわかあめ)裸締めこみ 男の匂い後(あと)を追っても 叶(かな)わぬ掟(おきて)背中にかかり湯 泡沫(うたかた)の浴衣(ゆかた)一枚 ...
  • ひとり金沢

    ひとり金沢

    雪どけせせらぎ 八重霞(やえがすみ)春待つ浅野川(おんながわ) 友禅流し瀧の白糸 梅の橋女ひとりの 旅の空…揺れる水面(みなも)に 面影浮かぶひとつ消えては また浮かぶ未練をひきずる 城下町金沢 金沢 古都の春縁切りサルコが 胸を裂くせつなさ募(つの)らす 久昌寺(きゅうしょうじ)夢はうたかた 蛍火か想い届かぬ はぐれ...