• 「16」
  • disbelief

    disbelief

    宵が街に降りて全てを蒼く染めるまるで知らない世界にひとり迷い込んだみたいだ踵を返して 巧く雑踏に紛れたっていつも無数の視線が僕を捉えて放さない息を潜めて 口を噤んでただ ほんの小さな隙を待ち侘びている誰を信じて 何を目指そう?時折 分からなくなるよあてもなく彷徨う夜の中に「おいでよ」手招くまぼろしを見た「何もかも投げ捨...
  • Angraecum

    Angraecum

    簡単に着こなしてた君の「理想」がこんなにも今は何故か息苦しく感じてしまうから「なんで上手くできないかな」見え隠れ揺らいで またひとり僕の知らない僕が 顔を出したようだ確かにそこにいるのに触れられない 君のことを愛しいと想う僕までもが嘘になっていくのかな言葉ばかりを綺麗に飾りつけて誤魔化す度に痛いほど思い知るんだよもう張...
  • 残照とハナムケ

    残照とハナムケ

    愛しい名残を宿すあの眼に忘れたい記憶を重ねてしまうから愛しい名残を宿すあの眼に忘れたい記憶を重ねてしまうからいつしか深まった溝に どれだけ胸を痛ませあなたは微笑んでいたんだろう心地よい静寂の中鳴りを潜め 起さぬようにあまりに 背負うには重いあなたの「これから」を憂うきっと 理想と裏腹に成し得ないこともあるだろうそれでも...
  • 糠星の備忘録

    糠星の備忘録

    何もかもが僕を 睨んでくる目に感じるから俯いては昏い夜を歩く何もかもが僕を 蔑む声に聞こえるから期待忘れ無気力に息するいつからか止まってしまった世界を灰がかった色の無い世界をたった一つのくだらない仮説が一瞬で動かしたんだ出会ってしまったこの感覚に相応しい名を見つけられないままでずっと惚けていたよ肝心な時ほど 浮かぶ言葉...
  • Nocturnal

    Nocturnal

    寝静まった商店街 隠れながら行こう不規則に鳴る心臓の音 心地良くていずれ等しく朝が訪れるのなら思い切りおどけてみるのも悪くはないねこの退屈な夜に 意味を見出したいの眠るのが惜しいくらいに特別なものにしたいのさぁ二度と無い今を切り取って心のままに有限を撮ろう君と長い長い空白を「これから」で埋めてくためいつの間にうたた寝し...
  • ひカゲもの (AL Version)

    ひカゲもの (AL Version)

    心無い言葉と鋭く刺す視線一身に浴びて深く負った傷はどれだけ綺麗に繕ってみてもきっとずっと癒えることはない零した嗚咽と大粒の雫小さな両手で抱え込んだ決意あまりに上手に隠すものだから誰一人と気付けないままで微睡みの中 追憶に耽てあの日の僕とあなたを重ねた「大丈夫。」なんて 柄にもないくせに…それでも寄り添い行くと決めたから...
  • FICTION (AL Version)

    FICTION (AL Version)

    この計画の主軸 即ち君の形質と遺伝子全てを継承した個体 それが僕らだ無作為に並べられた この水槽の隅で人知れず誰もが庶幾う 紺碧の海を…姿 記憶 存在意義も複製された僕らの前にそのガラクタは突如現れた錆びた胴を軋ませ手招く“それ”はこの虚構世界の終わり僕にそっと仄めかしていた痛いほどに熱を帯びたこの心臓も偽物なの?嘘じ...
  • fragment

    fragment

    あなたの破片を集める夢を見たんだ今日も 不覚にもそれが何より美しいと思った 何故?壊れないように 砕けないように削り磨き愛をくれた人いつか僕もこんな夜を抜け出せるのでしょうかひび割れた 淡い夢をあと幾度繋いで待てばいい?天飛ぶ 月の船あなたは今乗っているのだろうかあなたは破片と大事な約束までも落としてゆく次第に虚ろに変...
  • 碧落の地より (AL Version)

    碧落の地より (AL Version)

    溢れそうになるから零れそうになるから堪えて話すのがやっと格好良くいられないなどんな顔で聞いてる?どんな風に頷く?あなたのことだからさ不思議とわかってしまうよこんな毎日がいつか終わると知りながら心のどこかで変わらない何かを信じていたんだあなたの隣でその背を押すことはもう出来ないけどどうか叶うなら幾千の時を越え寄り添う歌に...
  • 涙淵に沈む (AL Version)

    涙淵に沈む (AL Version)

    底知れぬ暗がりの向こう尽きない憧れの話幾夜 語り続けただろう?いつの日か指切りしてガラスで隔てられた僕らを繋ぐ約束大丈夫だよって君は最後に頷いてみせた潤んだ瞳に泣き出しそうな僕が映るよねぇ また会えたならどんな どんな世界を探そう?どれほど微かな灯火にさえ縋ってしまう僕を 笑ってよ 笑ってよ誰かの啜り泣く声をすぐ側で聞...
  • Grieve

    Grieve

    篠突く雨に見舞われ騒めく心臓が「その扉は開くなよ」拒むようだ漠然とした予感当たるな、どうか間違いであって…何故僕の名を呼ぶ声に面影を感じるんだ?熱を帯びてく感情をただ噴かすように 心が叫ぶ疾うに慣れたはずの痛みなんかで何かが軋む音を聞いた「どうして 泣いているの?」君は問うそんな無邪気でやるせない幻想を見てた言った通り...
  • 邂逅の旋律

    邂逅の旋律

    手を触れた瞬間に駆け巡る記憶の深く遠い何処かで誰かが呼んだ心の片隅でいつも鳴ってたノイズ君の音が全て かき消してくれた上手く伝えられないやそんな想いは この指先に込めてみるから形のない約束 今もまだ離れないよ雑踏の中 足を止めた旋律にその目が凪いだ気がした何処に行ってしまったの?僕らを放ってひとりでぽつり 呟く声に君は...
  • ユーフォリック

    ユーフォリック

    こんな姿 こんな表情じゃ幾夜、泣き腫らしてもきっと誰も見抜いてはくれないそう思ってたあなたに出会うまで煤に塗れた部屋の隅で読み飽きた本を捲るだけ目的も果たせぬままただ 無聊を託つある日、箱の中目を覚ましたよく知る顔した人形は訪れる度 同じ 台詞を繰り返すだけ日に日に取り戻す心の重さにいっそずっと気付かずに騙されていられ...
  • 空梁月落

    空梁月落

    一面に広がる 晦冥に呑まれて口ずさむ歌も もう届かないほどにどこまでも遠くへ どこまでも深くへ静寂の中へと落ちてゆく淵底にひとり僅かに残った記憶の砕片を繋いで やっと辿り着いた忘れないで 訴えるようにただ煌々とわたしを見つめる光どれほど取るに足らない日々でも私の孤独な世界に 色を与えたのきっとどこかで迷い佇んだときはあ...
  • Repent

    Repent

    空っぽな心に巣食うのは塒を巻く 真っ黒な情念本当は誰より臆病な僕を僕が1番嫌ってたあの眼差しが脳裏に纒わり付き飽きるほどに僕をずっと諌めるんだその身体を突き動かすものは何?僕には到底計り知れないな酷く狭い檻の中 思い耽るは滑稽なほど間違いだらけの日々こんな蟠りも解いてしまえば今からでもやり直せるだろうか…らしくないねあ...
  • 眩耀

    眩耀

    真っ直ぐに濁り無きその瞳は鮮明に遥か未来 見据えていた踏み締める一歩に重みが増す噛み締める言葉に想いが増す泡の様に消えた 儚い憧憬誰かの憂いも全て残らず背負って揺るがぬ大志を 掲げてゆくよどこかで見てんだろう?越えてゆけ 命燃やしていつまでも胸に 決して絶えぬ火を何度でも藻掻け 何度でも抗えその先へ拓く景色を見せてくれ...