• Nobby

    「18」
  • ふたりの絆

    ふたりの絆

    緑連なる ふもとの村で手と手を握り 交わした誓い今もこの胸 忘れるものか今頃君は 野良仕事山の夕暮れ 思い出す茜に染まる あの微笑みを今も忘れぬ ふたりの絆(きずな)辛い都会で 二冬 三冬それでも今も 覚えているよ母(おや)を一人で 残して行けぬ一人で君も 頑張れや何時か二人で 又会おうお前の清い あの眼差(まなざ)し...
  • ふるさと恋し

    ふるさと恋し

    空に溶け込む 水平線が海の香りを 乗せてくる白く浮かんだ 入道雲が母の笑顔に そっくりな元気で居てか 母(かあ)ちゃんはふるさと恋し あ~あ 浜恋し何の返しも 出来ないままに故郷(くに)を離れて はや五年空を見るたび 浮かんで来るよ浜の仕事の 手を休め聞かせてくれた 母(かあ)ちゃんのやさしい声の あ~あ 一節が汽笛鳴...
  • おにぎり

    おにぎり

    噴出す湯気を 見る度(たび)に白いおにぎり 想い出す母が握った 温もり恋しおやつの代わり 握ってくれたこげの混ざった おにぎりを湯気の向こうに 思い出す小遣いひとつ 無い昔白いおにぎり 待っていたたまに麦めし 混ざっていてもお菓子の買えぬ 子供の心いやし包んだ おにぎりを遠いふるさと 振り返る何でも有りの 今でさえ白い...
  • ぬくもり

    ぬくもり

    傍に寄り添う それだけで安らぐ気持 何故だろう心触れ合い 知り合って幾年月を 重ねたろ心に浮かぶ 思い出もぬくもり感じる 二人の絆つらい寂しい 時だって目と目で二人 励まして越えて歩いた 茨道(いばらみち)これから先も 有るだろう苦労の路(みち)も まっすぐに優しさ労(いたわ)り 二人の心空に大きな 虹の橋希望の夢を ...
  • 愛死

    愛死

    信じられない 節分の夜カタカナ文字が 濡れていたうそ うそ 嘘だ まぼろしだ夜汽車の窓に 茜(あかね)の雲がぽっかり浮いて 笑って見えた別れの 愛の 瞬(またたき)かあれは あ~あ 愛の微笑み紅い夕日の 真紅(まっか)な浜辺寄せては返す 白い波なぜ なぜ 何で 何故なんだ黄色の空に 叫んだあの夕(よ)悲しみの傷 残して...
  • 祖谷の女

    祖谷の女

    ギーコンサッサ 紙すく音が山に谷間に 流れてく水も冷たい この山里で若い娘の 細い手で手透(す)きの和紙の 一枚に心を込める 祖谷(いや)の女(ひと)クルクルクルリ 糸まく音が渓(たに)の吊り橋 渡ってく霧に霞(かす)んだ この山里の若い娘の 夜(よる)仕事思いの糸の 一本に命を紡(つむ)ぐ 祖谷の女~祖谷のかずら橋し...
  • 上野で別れて

    上野で別れて

    肩を震わせ 泣きながらか細い腕を 振っていた駅で別れた あの女(ひと)はあれからどうして 居るのやら何故か気になる うしろ影上野で別れた 可愛い女(あいつ)駅の改札 抜けながら似た様(よ)な姿 追っているほんの諍(いさか)い きっかけであいつを泣かせた ばかな男(やつ)今も気になる 涙顔(なみだがお)上野で別れて 一(...
  • 面影酒場

    面影酒場

    酒が教えた 夢なのか酒が壊(こわ)した 恋なのか何でこんなに 苦しめるグラスの中に 潤(うる)む顔何でお前は 出て行った酒と呟(つぶや)く 面影酒場隣どうしで 居た縁(えん)で夢の続きが 始まって共に暮らした 幾月(いくつき)か酒場の明かり ぼやけてる何でお前は 嘘ついた酒と呟く 面影酒場君が造った 花飾り店の戸棚に ...
  • 女の泪

    女の泪

    会ったあの日は 別れが来るとついも思った 事など無いに帰る貴方(あなた)の 背中には私の知らない 影がいる戻れない 戻れないもう 昨日には押さえきれない 女の泪そっと隠して 袖でふく悪い事とは 想いもせずに甘い言葉に ほだされ燃えて罪を重ねた この三月(みつき)私の罪(せい)なの 許してねせめないで せめないでもう こ...
  • 越名恋唄

    越名恋唄

    おさげの娘 川辺で一人舟唄歌い 菜(な)を洗う幅も小さな 川だけど想い浮かんだ 越名(こえな)の川に娘ごころの 恋唄一つ水も静かに あ~あ 聞き惚れる昔は江戸に お酒を積んで船頭さんが 通(かよ)ってた今は静かな 川なれど父の面影 浮かんで消えて娘ごころの 想いを乗せて白い雲さえ あ~あ 天に舞うア~ア~ア~ア エイ舟...
  • 酒

    一人手酌で 飲む酒は身体の中を 浸みとおる広い世間の 切なさ辛さ飲んで忘れて また今日もひとり飲む酒 コップ酒昔惚れてた 女房(あいつ)にも心の中で 詫びている若い身空で 我が侭(まま)言ってかけた苦労も 二度三度ひとり飲む酒 なみだ酒今も時々 思い出すお袋そばで 泣いていた心変わりが 有る訳無いが逃げた女房も 薄情け...
  • 父さんの顔

    父さんの顔

    幼い頃は 夕方親子(ふたり)明かりの薄い 粗末な風呂で肩も浸かれと 親父の膝で竹の柄杓(ひしゃく)で お水を飲んで百を数えた 檜(ひのき)風呂怖い顔した 父さんの顔他人(ひと)には甘い 父親だけど家(うち)では怖い 雷神(カミナリ)様で幼心(おさなごころ)に 思って泣いたあんな親父の 真似などしないきっとしないと 誓っ...
  • 涙の蕾

    涙の蕾

    あなたお願い 振り向いて心で叫ぶ 雨の町あれから二年 便りも無くて一人グラスで 飲む酒もいつか貴方の 顔になるあなた あ~あ あなた涙の蕾が はじけそうひとり歩きの 霧の町背中で声が したようで見返える町に 影さえ無くて帰る寂しい 靴音もいつか貴方の 声になるあなた あ~あ あなた涙の蕾が ほどけそうあなたも一度 帰っ...
  • 二人船

    二人船

    波の飛沫(しぶき)が 素肌に刺さる海に乗り出す 二人船空と海とが 波間に溶けて男の命 燃やしてたぎるそれ引け そ~れ 大漁網を浜じゃあの娘が 待っている朝の海原 キラキラ光る兄と弟(おとと)の 二人船島が遠くに ゆらゆら揺れて二人の絆 揺らして燃えるそれ引け そ~れ 大漁網を空じゃカモメも 俟(ま)っている陸(おか)の...
  • 三毳山−みかもやま−

    三毳山−みかもやま−

    まん丸顔の おふくろをいつも泣き泣き 追いかけた甘えて生きた 幼い日時々空を 見上げてはおさない昔 想い出す母と登った 三毳山(みかもやま)七曲がり坂 登りつめ返る笑顔の 母の顔心にいつも 掛けながら時々窓の 硝子戸にエプロン掛けの 母の影淡いかたくり 咲いていた学校からの 帰り道雨に霞(かす)んだ 三毳山はっきり今も...
  • 袖にふる雨

    袖にふる雨

    ポツリと落ちる 銀の玉湖面を走る はしり雨まるで貴方の 心の様に袖を濡らして 行(ゆ)き過ぎるほろり落とした 涙の粒が雨の雫か あゝ 袖にふる雨貴方の影を 追いかけてひとりで来たの 山の宿一つ枕で さみしい夜のいない貴方が 恋しいの想い出す度 流れて落ちる夢の雫か あゝ 袖にふる雨朝霧香る 宿の窓湖面に霞む 影一つ今朝...
  • 母の鞄

    母の鞄

    故郷(くに)を出るとき 母さんが土で汚れた 荒れた手で持たせてくれた 小さな鞄潮の香りの 海辺町田舎の駅が 懐かしいあ~あ 故郷(ふるさと)はいつも心(こころ)に幾日(いくひ)あれから たっただろ丸い背中が 気がかりな畑の仕事 しんどいだろに潮の香りの 岬町帰ろか明日は 想い出とあ~あ 故郷(ふるさと)はいつも遠~い今...
  • おふくろ

    夢にはぐれて 帰った村に待っていたのは うしろ指あの娘も嫁いで 去ったけど空の青さと おふくろだけが俺をかばって かばってくれたっけ何は無くても 一緒に暮らすそれが一番 うれしいと涙を浮かべた おふくろの丸い背中を いたわるようにそそぐ夕日が 夕日が赤かったいつかいつかと 気にかけながら出来ず終った 親孝行今夜もやさし...