• なつこ

    「8」
  • あなたのかもめ

    あなたのかもめ

    凍りついた 壊れたメロディー氷雨の夜に優しく触れて 溶かしてくれた人待ち焦がれて夢焦がれて鳴き泣き涸れて 堕ちてゆく私はかもめあなたのかもめ夢ならいいかもね私はかもめあなたのかもめあなたの海で 暮らしたい波に揺れる 月モノクローム春まだ遠い所詮女に なれない運命(さだめ)でいいわ恋焦がれて愛焦がれて羽根を焦がして 燃え...
  • ガラスの蝶

    ガラスの蝶

    さみしくないの 愛しいあなたは街の灯りが 震えてにじむこんな夜はいつもの やさしい腕がたまらなく たまらなく 恋しくなるの強がって 背中向けてあなたから 飛び立ったのにひび割れて キラキラとなみだ散らし 落ちて行くひとりじゃ 飛べないのガラスの蝶ね… わたし愛してくれた 誰よりあなたは私ひとりの ひとじゃないのにさみし...
  • 失楽園

    失楽園

    私 そそのかす誰かの 声がする隠れても 隠れても聞こえる心の奥 「正直になれ」と春は ヒヤシンス 夏には 白い薔薇幸せを 花瓶に活けるけど胸の中に 木枯らしが 吹くわ私 どうして 嘘が 下手なの?好きな そぶり 出来ない貴方に 抱かれて まどろむ 夢の中あの人を 捜してる 白い シーツの海ごめんね ごめんね 忘れられな...
  • 夢貯金

    夢貯金

    もう今は 色が変わった古い 日記帳エンピツの 幼い文字が綴る 昔の私オーロラが 踊る国犬ぞりで 走るのよ風邪を 引くたびいつも 一人きり空想の 翼広げたわだから 背伸びしたり諦めて 生きるよりも涙を 力に変えて夢を 貯めてゆこう笑顔さえ 忘れるほどの日々に 追われてるすがりつく 小さな命老いた 大切な両親(ひと)満天の...
  • 小樽 雪あかり

    小樽 雪あかり

    今年も永い冬が来る待ち焦がれた人もいるほたる色した雪の華北運河に舞い降りる今宵夢見しその先は 愛しい君のその笑顔ひらりひらり 如月(きさらぎ)の夢それは祈りあこがれと想い出は小樽 雪あかりながむる空に降りしきる聞こえますか 雪の音変わらぬまちの ぬくもりが時が止まりここにあるやがて儚く消える灯も 心にそっと咲き誇るひら...
  • シリアスにロマンスを

    シリアスにロマンスを

    火傷しそうな 恋をしたあの頃のふたりシャンパンに映してる眩しいシルエット愛してる 囁いてシリアスに ロマンスを紅く染まる こころときめかせてもういちど もういちどシリアスに ロマンスを居心地のいい 恋なんてもどかしくなるのもっとあなたをつよく感じていたいわ月明かり 灯したらシリアスに ロマンスを長い夜を そっとたぐり寄...
  • 氷の焔

    氷の焔

    ねえ 指先は ああ 熱いのに終わりなのね わかるのよ嘘をかくす こころも別ればなし すればいい黙って聞いて あげるわこのまま あなた 抱いて寒い胸に 抱いてよこごえて こごえて 私が 凍りつくまで愛は 愛は消えない 氷の焔ねえ 唇が ああ 冷たいわ窓にささる 三日月が見てる じっとふたりを泣いてなんか あげないわ死にた...
  • 星のふるまち

    星のふるまち

    音も立てずに 日が暮れて大峰山を月が照らす流れる風は さらさらと遠い昔のままね私が生まれた町 忘れはしません蛍舞う頃 また会えますか笑顔咲く街 みなかみは優しさがあふれてる天神平 まんてん星あんな夜空は見られません流れる星は きらきらと願うことただ一つあなたと出会った場所 忘れはしません夏薫る頃 また会えますか星のふる...