• 夏川あざみ

    「4」
  • 東京発釧路便

    東京発釧路便

    降る雨は 女の涙重いコート脱ぎ棄てに 北へと向かいますあなたと重ねた 愛の日々を忘れるために ここへ来たのよ東京発釧路便丹頂舞い飛ぶ 鶴居村(つるのさと)空と大地の 他にはなにも ありませんここが真実 わたしが生きる あかしなのそう今は 雲間のジェット窓の外はおもいでが くるくる走馬燈良い時ばかりを 映し出すの消したい...
  • 港・ナイトストーリー

    港・ナイトストーリー

    赤い夕日沈む 港の酒場路地でいつもあいつ わたし誘うの誘惑のジャズ喫茶 甘いバーボンショットグラス透かし 腰をくねらせ赤い夕日沈む 恋の夜よ霧にかすむ街の なじみのお店なぜかわたし今夜 胸がときめくさしむかい口説くのは 赤いワインで恋の魔法かけて そっと唱える霧にかすむ街の 夜は長い誘惑のジャズ喫茶 甘いバーボンショッ...
  • えにし酒

    えにし酒

    酒は飲むもの飲ますもの酔って酔わせて 思惑賭けておちょこで双六 出たとこ勝負女手踊り 男はふて寝縁にもいろいろありまして男と女の えにし酒夢は見るもの 描くものひとり手酌の 百薬(ひゃくやく)の酒枡酒(ますざけ)願掛け 満願成就お百度踏み踏み お神酒(みき)に願い願いもいろいろありましてお酒がお供の えにし酒隣り合わせ...
  • たそがれ波止場

    たそがれ波止場

    夕暮れ間近の 日生(ひなせ)の浜でゆれるちょうちん いつものお店帰るあてない あの人が酔えばお猪口に 浮かびます風にふりむく たそがれ波止場甘藻(あまも)の小さな 花咲く海に幼馴染の あなたとわたし語り明かした 夢灯り明日を誓った 恋なのにかもめなぜ鳴く たそがれ波止場さざなみ揺れてる 日生の浜でおんなごころが 切なく...