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「11」風に訊く
どうして ココにいる?誰かが きいたら風は 応えたんだそれは 過去からの 涙ぼくらは こどもたち時間をのせた紡いだその糸のその糸の先は争い こえた 青い空の 下でも大切なこと すぐに 忘れてしまうよどうして ココにいる?誰かが きいたら風は 応えたんだそれは 過去からの 涙...ここにいるよ
小指の先ほどの道端の花が雨粒で揺れる小さく 小さく心は遠くてここには見えないのに雨粒はしめすわたしの存在(かたち)をココニイルヨとココニイルヨと雲はありったけの涙を抱えこんで縛られない 自由と孤独の涙を 流しました加速を止めない足音に 振回されすぐ側に揺れる花にも気付かずナニヲミテタロウナニヲミテタロウ空に架かる虹に心...こわくない
自分でつくってしまった ちっぽけな 箱庭の そこからおしこめた心を 空いっぱいに広げていいきかせたこわくない ひとりじゃない こわくない ひとりじゃないこわくないまばたきするあいだに 形をかえる雲またひとり 今日もおいてけぼりだなぁ強い風にふかれていったいどこへゆくのだろうつぼみの花が はじめて空を知った日その日 空は...