• 南壽あさ子

    「42」
  • 呼吸のおまもり

    呼吸のおまもり

    ねえ 知ってる 呼吸のおまもりどんなときでも きみのそばにいるほらおなかに 手をあててごらんふくらんでへっこんで おなかはうごいてるよいちにいさんと 心でかぞえてゆっくり呼吸 感じてごらんどうしてだろう 息をするたびにしずかな心 やわらかな気持ち呼吸のおまもりは きみをまもってる...
  • あなたがいる

    あなたがいる

    ありがとうといつもいえなくなるほど近くそばにいてくれたあのひと光があって空は繰り返して咲く花をまっすぐにつよく照らしてるあなたがいる この胸のなか進むことを 忘れないように時の風が吹いて変わってゆくこの世界をあなたはなんていうかなあたりまえの日々が愛おしいと思えたらそこからつよくなれるから明日はくる 響く世界に口遊んで...
  • 永遠の少女

    永遠の少女

    果てなくつづくと思ってた光あふれる少女の世界瞳のカバーをはずしてわたしは真実を知るいつかはそう たったひとりで頼らずに生きる時がくるの未完成のままで わたしの道をゆきましょう空想の宇宙をひろげておもちゃ箱に詰めたストーリーチョコレイトを手に握りしめてぎこちない気もちも知ったこれからきっと 時間をかけて感情のドレスを身に...
  • サーカディアン・リズム・ショー

    サーカディアン・リズム・ショー

    紫色の煙に捲かれて 螺旋階段駆け上がる等間隔に伸びる楕円が回る思い違いかもしれない夢とうつつの間になったの屋上広がる夕空がほてる 寂しさ紛れにあなたなら何て言うだろうなんとも形容し難い 出し抜けを狙うような幼くわらった表情を描いた連鎖の上で ひたすら骨折って独りのカーテンコールは寝静まる夜マリオネット処は変わって八年後...
  • Shenandoah

    Shenandoah

    Oh, Shenandoah, I long to see youAway, you rolling riverOh, Shenandoah, I long to see youAway, we're bound away,Cross the wide MissouriOh, Shenandoah, I love yo...
  • SPACY BOY

    SPACY BOY

    SPACY BOY ぼくはワケあって地球にやってきたSPACY BOY ちょっと様子をみるだけSPICY GIRL きみはオフィスでおつとめウィークエンドのオフはひとりでおでかけほんとうは 宇宙人人間のふりをしてていねいにご挨拶惑星にはヒミツがいっぱいさSPACY BOY ぼくはワケあって地球にやってきたSPICY G...
  • 月夜ガラス

    月夜ガラス

    色褪せてゆくのがこわいです 月夜みたいに急ぐことなんかないのにね 駆け抜けてたいまっすぐ歩けば あなたは死んでゆくよそ見をしてたら もはや七転八倒で真っ白になりたくて 瞳を閉じただけなのに辿り着く光の先に 何を待っても許してはくれないわこんなに愛しくてどうしたらいいのかしらあたしの部屋だけに流れる雨音の拍手喝采渦巻き状...
  • 鉄塔

    鉄塔

    鉄塔、君はそこでいつもどんな気持ちで立っているの遠くまでみえるんだろうときどきうらやましく思う徹頭徹尾やり込められやる気をなくしていたぼくはふと、空を見上げたとき君の様子に気付いたのさ360度 やがて夕日に魅せられて美しく染まるその姿 物憂げに映るのさだから鉄塔、ぼくも君のように周りを見渡してみたいよおちゃらけた群れが...
  • Noir

    Noir

    窓辺にこしかけ うたうあなたやさしくさえずるその声はいまも美しナイチンゲール気まぐれな愛もわがままな涙もあなたはすべて飲み干してくれるのなにも言わずなにも残さず想いは ただ月の向こうへ夜を眺めて たしなむふたり白くひかる屋根の上身を寄せ合うルシャットの影なにも拒まずなにも追わずに想いは ただ月の向こうへ...
  • BIRD SONG

    BIRD SONG

    空梅雨にため息絡ませたら塗りかえたい日々が 胸を掠めこぼれて波を描くよ強がって誰かを傷つけたり明日をこわがって 進めないこともある優柔不断なわたしの鉛のように重くなった心をとかして振り向けないほど遠くへ白い羽根をつけて今、飛んでゆきたいの正しさを取り違えたわたしの涙はふかないでなぐさめなくていいのそれでも自然なわたしを...
  • 星の瞳

    星の瞳

    わたしたちはしずんだ底から高くのびた空をみあげている都会の星に身を捧げなにかになりたくてなににもなれずなお生きているわたしたちは手間をかけて生まれる絨毯に眠ったことがない壁をつみあげほほえみ忘れて手の中にきばをつくってしまった星の瞳で空をみれば世界はとても透きとおってみえる世界はとても透きとおってみえる...
  • 魔法の庭

    魔法の庭

    青空がみえたら右手に入場券あの子を呼んで遊ぼうもう時間はないよ 虹を渡ってゆこう今しかないこと今しよう 何もこわくない迷路をくぐり抜け 口笛を吹いたらうたうよ真昼のカラスハッピー・ハッピー・バースデー おめでとう毎日生まれかわる泣いたり笑ったり 笑っては泣いたり転んで強くなれたりでこぼこな人生 それだっていつか笑い話さ...
  • すみれになって

    すみれになって

    さびれた街に 呟いた君の名前は見果てぬ海で 砂となり波に呑まれて霞を食むような声で ひとりうた唄う足跡は過去を連れて 風と何処へゆく疼いたこころのすぐ傍にきて綻びた場所を包んでくれたあの頃のこと今もまだ鮮やかに残っている確かめるように 空吹く言葉を手繰ってくるわしい程 徒にこころを暈すの線に触れて少し揺れた あどけない...
  • 杏子屋娘

    杏子屋娘

    うつらうつら居眠りの只中に、遠くから音がするしだいしだいに近付くその音に、つられて家を出るひっかけた下駄の鼻緒がすり切れて、おまけに夕立に降られちゃ、もう拍子抜けさ取り繕った下駄を履き直して、どうにか、家を出る今年もまた、お見掛けできるだろか杏子屋娘は橙色した灯りに照らされてうすい紅の君が振り返るあの時はまだ あまり知...
  • エネルギーのうた

    エネルギーのうた

    今日は なにになろうおふろになろう 料理になろうでも にんげんにはなれないから130年 ずっとそばでささえてきた「おはよう」夢をみたきみのもとに 朝がやってきたねえ どんな1日になるかないいこと あるといいなあ「ただいま」その声が聞こえるまで きみをじっと待つねえ どんな日だったかしりたいななにをみて かんじて 帰って...
  • On My Way

    On My Way

    いくつもの時をこえたあこがれの恋をいつも背中に抱え込んであらゆるものを捨ててしまったさみしさは 甘いカフェオレが満たすのよもしかしていいかしらそろそろ 次のステージ泣き濡れていた日々に 櫛をとおして綺麗なリネンのシャツに着替えて出かけましょうひとくせある人だからまた あいにいきたくなってしまうのもしかしていいかしらそろ...
  • 八月のモス・グリーン

    八月のモス・グリーン

    自由な海を捜して 八月の空を越えたらあの島へと着くだろう 手紙の届く頃にあなたがいた時のよう 今さら 今さら水平線が滲んで 点々と砂の跡寄せては返す波間に漂うこの月を見ればちゃんちゃらおかしいことも出来る気がしているのガラス細工の破片が 海岸砂丘に埋もれてあの波に攫われてく もう少し見たかった始まりと終わりのふたつは ...
  • forget me not

    forget me not

    いとしいひと さよなら、いつか 思い出して夏の日に 海をみてる わたしのことを煮詰まったジャムだから 蓋をしておいてよどうしようもなく 残り香に 夢をみるんだわカモメが飛んで 振り返ってもあなたはもういないの溺れるくらい 泳がせて 愛の向こうへ流れるままに踊りたいのよ 水底(みなそこ)まで覚えてますかはじめて ふれた日...
  • ロマンティック街道

    ロマンティック街道

    朝靄にかすむ街 レンガ色の家々雨上がりの道を のぼってゆく白樺の若枝で 飾られた馬車に乗って田舎娘 とおくへ運んでゆけわたしの友だちは100ヘクタールつづく葡萄畑ともに空をあおぐ囲われた壁こえて鳥のように飛べたならあこがれたその先をみてみたいのすべてを捧げて 短い命よおだやかに晴れた日にロマンティック街道をゆけばアルプ...
  • 勿忘草の待つ丘

    勿忘草の待つ丘

    今は昔のこと 若草の匂いを青い春の風に 例えた人がいたのだろう音楽室からの空は 僕にいつも笑ってこう言う 夢を聞かせておくれよ大人になっても 子供でいたいのさどこへでもゆける 少年のように明日からのことが ふと、気にかかったらいっそ僕らは 明日の朝日を待つだろう奏でる音楽を 無駄にしてはだめさ誰かはあなたの声が胸に響く...