てるる...
「12」車輪
東京のこの街を自転車で走り抜けていく君を乗せて風の中を走り抜けていくこのまま知らないところまで行けたなら少しは君の心の中覗くことができるかなその瞳に映っている僕をおしえてよその瞳に映っている空の色は何色さ風の中、車輪の音だけが鳴り響いているよ僕らが今見ているこの空は同じだろうか!答えは空の彼方さ決して届かないこと知って...すずらん
境界線というのを見たんだそれは奇麗な虹色をしていたすずめの鳴き声がきこえる僕は身体中雨に打たれる何故こういう人なのだろう誰か、早く殺してくれよすずらん揺れている雨は強くなるその中で僕はひたすら叫んだ風の音を聴いて、光を裁いて、僕らの背中に傷を負わせばいい素敵な街路樹と涼風それだけが今の僕の故郷手作りの赤いポストに、願い...夏の午後の約束
六月の気紛れ、雲を裂く日ざし夏の香りが舞う穏やかな散歩道安らかな君の眼差し、少し躓きがちな僕この空にはどんな姿に見えているだろうか菖蒲の花に囲まれた僕の先を行く君その鮮やかな後ろ姿は何かを知っていた蝶々が舞うように小さな幸せが舞う君は青い花となって優しく触れるよ穏やかで、静かで、落ち着いた夏の午後僕らの言葉は静かに太陽...連弾
宇宙戦艦に乗って旅に出ようそれがいいかもしれない、僕の考えさ君はどうするよ、何、ここで世界を描き続けるってそれも悪くない雲が流れても太陽が沈んでも僕たちきっと連弾し続ける僕らで作ったペンシルロケットを投げようとした地味な青空にピアノ線、弾き返す、色んな音静かな夜明け、歩道橋の上で最後まで眺めていておくれ芝生の上で寝転ん...大きな空の真下で
おどろう 大きな空の真下で精一杯に おどろう悲しい夜も 消えない過去も 君の涙もそう リズムに乗せておどろうよ 精一杯さ枯れ草のベッドの上で陽射しがカーテンを降ろした時に空はばたく声舞い降りて 頬をよせたねそれだけで それだけで ただそれだけで君はおどった凍える風が バラの棘さえ 携えながら君はおどった涙が雨になっても...贈りもの
いつか言ってたいつの日も 朝日を眺めたいって素敵な言葉だよ 今も 心 躍るよそのメロディーは 唄うたんぽぽの綿毛と春風の旋律の様にそのメロディーは 唄う真冬に舞い降りる君の白い息の様に息絶えた夜の永遠には涙は零れないんだろうそしてまた君は朝日のもとへと口づけを贈ることだろう静かな朝日が昇るよゆっくりと ゆっくりと白む空...春宵
頭の中で グルグル回る妄想イカれた人間の仲間入りかな遠い遠い場所で 君が笑っている瞳の奥でずっと待っているって便りが届いたのは昨日の事コスモスの咲く季節は終わったのにまだ僕のポケットにささったままあの時のように日々は遠くへ忘れずして 忘れるよなんて空があざけ笑っているようで温かさと血の気がない記憶にまたがって太陽に背中...空に描いた別れの唄
風は空を行く その声の残響窓の外へと旅立つ様に僕をおいてはばたいていく青い空 あなたの儚い唄声よ零れ落ちていった 枯葉の様に色褪せた あなたの眼差しから頬伝う 水色と共にぽつりと零れ落ちた侘しい跡形に かける僕の声は冷笑咲くほどの 頼りない声さ心の空白が 今 別れを空に描いたそしてあの日の誓いも惜しむ事無く色褪せたねぇ...マロニエ
時の足踏 唄うマロニエの木君の頬撫でて空へと消えた僕ら想っていた遥か彼方の二人の静けさを蜃気楼を描く微笑と境界の虹が僕に手を振るのでマロニエのはかない瞬きに君を連れ出して声を投げたのさ赤い花弁 胸の戸を敲くその残響は永遠の秘密さ今は何もいらないよね僕らにも季節が舞い降り始めるよ君は笑っていた悲しみを花びらで包んで君は泣...よく晴れた日
よく晴れた日まだ 夢連れた顔で淡い紺色を帯びた花の人踊る心の中 みつばちが飛び交って太陽と空に触れられそうだよく晴れた日コスモスの海を泳ぐ君の唄声未来もいつかもさ もう どうでもいいのさねぇ その手の微笑みも風に乗せてさ全て忘れて ゆっくりと息をしよう若草敷いてさ 風を唄ってさ 花の中夢じゃないのさ 美しいのさ 全てが...季節の悪戯
闇の中、美しい木蓮が、光を両手に空の下羽ばたく香りが、嬉しさと悲しみの風を生みましたそれはまるで、君の様でありましたその風の指揮に乗り轟く白い花の面差しに一滴の笑顔を見たよ藍色の空が街被い大きく浮かぶ月の存在にあの日の涙を見たよいつかは闇へと帰るから君のこと遠くまで歩いて探しに行くよ空に羽ばたく花の鳥を君の姿と目を留め...人類へ砲声
太陽は光を山へ託し去るそれを記する時、我独りこの心、静寂の音に息を絶ちてそれを記する時、我は無知さあ、帰ろうさあ、走ろう携えているものは、君への花弁と、君を映す夕日と、一握りの風の音よこの心、瞳が届かぬ果てにて何を想って朽ち果てよう!その言葉、誰が言おうこの偉大なる光の線と緑の歌声!...