• 茶(ちゃみ)美

    「2」
  • 風の岬

    風の岬

    道も途切れた 地の果ての岬に叫ぶ 風の声あの日かわした 約束にすがり待つ身の 切なさよ逢えぬ面影 偲んで泣けば波のしぶきが ほほを打つ風の岬は 春遠く鳥さえ飛ばぬ 寂しさよたったひと夜の 思い出がつけた夢の灯 消さないで髪をみだして あなたを呼べば風が心を ちぎります風が奔(はし)って 胸を刺す弱気なわたし しかるよに...
  • 虞美人草

    虞美人草

    四面を敵に 囲まれて楚歌(そか)が流れる 闇の中命運果(めいうんは)つると 知りながら微笑み返す 健気(けなげ)さよ我が身散ろうと いとわぬが虞美人(ぐびじん)そなたを 想えば悲し力山を抜き 気は世を蓋(おお)う時に利あらず すい逝(ゆ)かずすいの逝かざるは いかんすべき虞や 虞や なんじをいかんせん※『該下の歌』…項...