それでも尚、未来に媚びる
「16」軋み
雨は遣らず空は僕を置いて泣いた前髪が濡れていく優しい嘘だった奈落で待っている何度も寂しくなって午前四時、沈み ふらりと歩く何度も仰いだ空は散る煙雲に天照らす月邂逅が丁寧に拐かす飄々と聞こえるか街が照らす夜に僕を除けてくれと悴んで待てないや 冷たい嘘だった最後の願い何度も寂しくなってしゅるり しゅるり 溢れていく何度も何...ノットデッド
死にたくなるようないつもの帰り道綺麗な宵闇 嫌味な星もういいや 触れないでよ 汚い手でもういいよ 判ろうともしないで明日も辛いのに笑うだろう痛みも繰り返し続くけどただぼんやり浮き沈み息をする意味を見出して明日もほら、生きている生きていく...也子
ハロー なあ、未来は今明るいか?摩耗した神経 研ぎ澄ます声ハロー 今日も僕は僕を晒すごめんな それでも歌い続けるよ夜の灯火 帷の果てアナログテレビの砂嵐遠くへ駆け出す七つ目のいつもより多く眠れた日あなたのせいで毎日笑えるよ期待も 生活もそれなりで今では上手く息を吸えるよ吐いた言葉で何か変わるかな?ハロー なあ、未来は今...昨日のこと
黄金の街は僕を置き去りにして追いかけても 離されていく息が肩に見えていた僕は項垂れて悔やんでいて日陰から焦がれた焦げたアスファルトの蜃気楼夢は映らなかったイエスタデイ、イエスだけ伺う手立て 唱えた呪文はまた宙を舞う踊る 踊れないに脅されている頼む、とびきりの薬をくれずっと僕の隣に居たはずの温もりは左手に奪われた 僕を置...高架下心
降下した居場所 朝日を迎えるなんだか後悔して光を遮る明日のことは分からないけどせめて家で笑えたらな高架下 ほら、鋭い風が吹いて懐いた猫は居なくなったよガードレールに腰掛けて見てたみんな自分のことばっかだな人の心は温かいもんでさ繋がり 集まり 情に溢れるあなたはどうだい?救われたなら 今手を差し伸べて、さあジャリ銭数枚の...この春を繋いで
この足で歩いていく何も成し得なかった今日もしがない人でした情けない表情さえも嬉しいと、悲しいと動くのは芯の感情で「本当は嘘でした」まるで夢の中でさ、どうやら脳は生きろと告げ声は大きくあなたを呼ぶ息を飲み 燃ゆる炎天下歩く理由は頭の中呆れる程に痛かった本当の言い訳教えてよ夏になる程、嫌だった血と血であなたを繋ぐ生命線を確...摂氏4℃
またねって消えていく回想に更け込んで終わりの駅改札を抜けた方角は闇討ちと過ごした懐かしい街並みへあなたの胸に初めて触れて全てが終わりの始まりでした呼吸が、心臓がグッと締め付け涙が苦しかったそうな炎はメラメラと燃えているか?醜い餓鬼のようにそう単純に、また簡単に話さないでくれじゃあねってまだ居座って僕の中から消えてくれな...ディスラブソング
誰が咲いて歌えどもただただ頷くだけ感覚を捨てたあなたにさよなら心を巣食う愛しのあなたへ理想はとうにかけ離れて頭の中では落ち込んだ鳴らさない内緒の音で「殺し続けてさ」疑いを、続けては、灰になる本当の意味を探す日々しかめ面 繰り返す今日ぶちまける某ただ愛を訴えども夏と次と欲だけ僕は陽を背に歩き出す謀叛へこう言えることがどう...破戒
腐って生きてるあなたが金木犀の甘ったるい香りと心を奪っていった熱を帯びたモーターと夜光虫のもげた足の数本が“あの日”をフラッシュバックして鮮明に刻む僕なら迂闊だったあー、不甲斐ない思い出にハイになる嬉々とし濁す七色不安で唱えた 勿忘言葉罪が沁みて浮き上がる襤褸軋んだ針が錆び付いたとて凍てる二人「そばに居たい」と謝れば赦...浅き夢見じ
こんなに小さな願いも届かず見えない未来が僕を嘲う鈍色の街で輝けない 古臭いネオンの光にさえあの日、あの時、あの場所でだとか立ち上る煙に巻かれて 消えていきたいなもう会えないね 切り裂いた、記憶だけこんなに小さな願いも届かず 見えない未来へ、僕を宜しくあなたがくれた尊い夜も 迎えた朝も忘れられずに鈍色の街にさよなら告げ ...暮れぐれも
彼岸に刺す い草の匂い 思いの丈をしたためた歌答えを探して迷いながら 細胞、幻想として誰そ彼にそっと砂利道鳴く 街灯がポツリと寂しい顔「お前もか」なんて零したなら 細胞、残像 ゆらり燦然とした譽れの歌 二丁目をふらりと彷徨ってあなたがくれた歪な愛が 残した憎しみだけ秋を殺した寒空が あなたを赤く染める目と目、手と手、重...グッドバイ
そう、本当に勝手でさ「大丈夫」いつもの合言葉缶コーヒーと煙草の火白い息と煙 断つあー、いない いない温もりも 声も癖も終いには忘れていく埃にまみれてさ耿々と消せない約束がどんどんと重さ、深さを増しギラギラと赤い色はまるで嘘の中 あなたは笑っていたいない 要らないじゃない遣らずの雨、同じ話もう聞き飽きられないんだ指切りし...殺風景な夜に涙で濡れた花束を
殺してくれよ こんなにも苦しくて辛いなら揺れた心も 冷たい風も まだ温度が残る肌も翳って見えるのは笑顔か キラキラ光るのは涙か感情を手繰り寄せて手のなる方へ 遥かげに濡れる心情を探り触れて思い出させて 優しい話を逝かせてくれよ こんなにもいじらしくて遠いならあの日のことも 未だ見ぬ明日も 指を切った二人の夢目を閉じれば...罪憐
脆く、呆気なく退廃する 鋼鉄のサイレンと焦燥と絶えない抗争のサイレント 最低な罪を平行線上 譲れないと 放射線状 広げないともう二度と触れないと そんな気がした一瞬で脳裏を掠めては萎れていく 模造刀では切れないの人の心か、贅肉か 操作して どうかしてくれよ平行線上 譲れないと 放射線状 広げないと儚く、呆気なく退廃する...処暑
もう嫌だなんて他人のせいにして逃げ惑う僕は嘘に囲まれて八月に書いた夢は雨曝しで溶けていく顔で偽って笑って 心は泥まみれで一人、抱え込んで何かに縋り付いた感情が溢れ出して 現実が僕を取り巻いた咲いた花は儚く消え去るものでほら、見失って 何故か寂しくなるのはいつか見た夢を忘れられないから愁い言ばかり 情けないばかり喚く今、...友達を失くした日
或る絆さえ引き離す風誓い合った言葉はまだ遠くもどかしく交差する声は儚く舞うただ記憶だけが美化されてふわふわと舞う一つ、二つと指折り数えて変わらぬ場所で待った時間軸に逆らって 笑い合った日を思い出して黒い足を運んで ただいまって早く言って手が届かなくて寂しい夜 笑い合った 殺し合った唇重ね 声枯らした この道には誰も居な...