• 曽我部恵一

    「14」
  • 青春挽歌

    青春挽歌

    春は乙女の柔肌にかげろうゆれて 恋を知り片手の書物 投げ捨ててふみ書く我や 花の下夏は裸のこの胸を嵐にさらし 夢を知り旅立つ船は ようようと舵とる我や 波の上秋ははかない虫の音に別れのつらさ 涙知り去り行く人の うしろ影みおくる我や 風の中 ああー冬は女の黒髪に初雪かかり 情け知りさし出す傘は 相合の手を取る我や 雪の...
  • 夏の日のオーガズム

    夏の日のオーガズム

    I Love You こんな娘とは 2度と会えないI Love You こんな言葉 2度と言えないHello きみといたらぼくは 誰よりも男らしくHello きみといたらぼくは 空みたいに黙って強く抱きしめてやるI'm In Love ハトを飼ってるんだ ぼくI'm In Love ツメをのばしてるんだね キミぼくらの...
  • 夜王子と月の姫

    夜王子と月の姫

    イヤホン耳にあてて天の川の声が聴こえて銀色砂漠に響く 新世界交響楽団名前はカムパネルラ 翼溶けた夜王子夜更かし子供は見たクロオルして空を飛ぶ夢今夜もまたプラスチックの涙が一粒消えてった世界の終わり来ても僕等は離ればなれじゃない世界の終わり来てもきっと君を迎えにゆくよごらんよ満月だよ青兎の目はさくらんぼ蛍光アンドロメダ口...
  • 秋の夜長

    秋の夜長

    音もなく降り暮らす木の葉の下で眠りゆく空さえも喜びの笑顔見せず毎日が果てしない大きな川に浮かびゆく橋げたにつかまりて一息つく“いつまでも いつまでも 二人でいたい”あー道端で拗ねたまま しゃがみこむ日々街灯が照らしてる家並みの影 重なりて無表情な夜道に模様入れる突風よ 吹くなかれ番犬よ 眠りにつけぎこちなく木の幹を誰が...
  • バンバンバン

    バンバンバン

    トボけた顔して ババンバンバンバンババババ ババババンアイツにゃ とってもかなわないバンバンババババ ババババン遊び上手な ババンバンにくい男さ ババンバンバンバンババババ ババババンバンバンババババ ババババンサエない顔して ババンバンバンバンババババ ババババンさすがの アイツもかなわないバンバンババババ ババババ...
  • Edo River

    Edo River

    ほこりにまみれて暮らした太郎さん土手のほうながめて土手の上の月みてかってきままに暮らしています反省するほど気楽じゃないけどやっぱり長年シラフで生きてたもすこし愛する力が欲しいもすこし楽する力が欲しいあぁ 東京から少しはなれたところにすみはじめてあぁ 東京から少しはなれたところにすみはじめてゴメン ゴメン ゴメン ゴメン...
  • さなえちゃん

    さなえちゃん

    大学ノートの裏表紙にさなえちゃんを描いたの一日中かかっていっしょうけんめい描いたのでも鉛筆で描いたからいつのまにか消えたの大学ノートの裏表紙のさなえちゃんが消えたのもう会えないのもう会えないの二度と会えないの……。...
  • 東京 2006 冬

    東京 2006 冬

    冬のおわりのある一日ちょっとうす着しすぎたみたい東京へ来て15年まだ季節の変わり目がわからない新宿からタクシーで下北沢副都心の夜景をながめながらこの15年で一番楽しかったことを思い出そうとしたあぁ ぼくは風邪をひいたかも東京 東京こどもの手をひいて幼稚園ちょっとゆっくり歩く朝の太陽は今日も変わらずぼくを白々と照らす全然...
  • ブルーのこころ

    きみに優しくしてあげたかった ブルーのこころ雨上がりに飛ぶのはドラゴン 炎の翼晴れた日の歌 小さな嘘 ブルーのこころ真夜中の果て ドアーを開けて 入っていくところぼくはひとりで公園へ歩くそして宇宙のまえに立ったブルーのこころ かなしい海 オレンジ色の空よブルーのこころ 記憶のよう とても小さなメロディきみに優しくしてあ...
  • BABY BLUE

    BABY BLUE

    真白い君の肩を抱きながら何を言えばいいかわならない僕だったよ知ることもなく 消えては浮かぶ君との影 すぎていく影意味なんかない 意味なんかない今にも僕は泣きそうだよこのまま連れてってよ 僕だけを連れてってよどこまでも連れてってよ君とだけ2人落ちていく BABY, IT'S BLUE友達もいなくなって BABY, IT'...
  • 愛のかけら

    愛のかけら

    愛のかけらが 降ってる愛のかけらが 街に終わりのない季節愛のかけらが 降ってるかたちのないなにかがぼくらのなかにあってそれは果てしない欲望夜のように深く宇宙も月も今日も過去も海も街も風も日々も木々もどこか遠くわからないけど愛のかけらが 降ってる愛のかけらが ぼくのうえにひび割れた世界ちいさな傷のようにぼくらそうして出逢...
  • White Tipi

    White Tipi

    これは気になる夢虹のかなたの夢あの場所まで行った夜のむこう側でいつも花が咲いて暗い空を照らすぼくらは揺れていた雨のような噂闇に光るパーティー濡れた世界のなか思い出したことは思い出せないこといまは旅の途中ぼくら旅の途中月がそれを見てる眠れなかった夜街が白く光る 街が白く光るすれ違うのは夢波のようによせて闇に光るパーティー...
  • TELEPHONE LOVE

    TELEPHONE LOVE

    でんわでぼくは Ring Ring I Love You今日もきみと Ring Ring I Love You熱いハート Ring Ring I Love Youでんわで今日は「愛してる」って言えるかなOH TELEPHONE LOVEOH TELEPHONE LOVEOH TELEPHONE LOVEそれは OH T...
  • ギター

    ギター

    東京の空には朝から雨が降っているベランダが濡れて光るいま2001年10月のまんなかちょっと肌寒くなってきた季節夕方ぼくは渋谷の洋書屋で世界中の本のなかにいた夢/ただ水色のほのかな絵ハルコの乗ったバギーを揺らしながらそしていまギターを弾いているテレビではニュースが流れてる戦争にはちょっと反対さギターを弾いているNYの空に...